消費者物価指数とは、基準となる年の物価を100として、その時々の物価を比較計算した数値です,*2 たとえば200万円の車を購入するために200万円を貯金したとしても、インフレによって車の値段が300万円に上がってしまえば、その車を買うことはできなくなります, インフレと貨幣価値 お金の価値と、モノやサービスの価格である物価は、表裏一体の関係 です,*1 あらゆる 経済活動や国民経済の基盤は、物価が安定していて、お金を安心して使うことができること なのです, 日本銀行の植田総裁は2024年2月22日の衆議院予算委員会で、今後も物価上昇が続くとの見通しを示した上で、日本経済について「デフレではなくインフレの状態にあると考えている」と述べました,*5 私たち消費者が日常購入する食料品、衣料品、電気製品、化粧品などの価格の動きのほかに、家賃、通信料、授業料、理髪料などのようなサービス価格の動きも含まれます, () 物価上昇の動向 次に、最近の物価上昇の動向をみていきましょう。
*5 「生鮮食品」は天候要因で値動きが激しく、「エネルギー」(ガソリン、電気代等)は海外の要因で変動する原油価格の影響を直接受けるため、これらの一時的な要因や外部要因を除くことが、消費者物価を把握する上で有益だと考えられているからです,。
たとえば、消費者が購入する財やサービスの物価として「消費者物価指数」が、企業間で取引される財の物価として「企業物価指数」が、さらに企業間で取引されるサービスの物価には「企業向けサービス価格指数」があります, 消費者物価指数 物価の動きは、 比較の基準となる時点を決めて、その時の物価に対してどの程度上昇(あるいは下落)したかを比率のかたちで見るのが一般的 です,このような場合、モノの価格が上がっていくため、消費者は買い物を先延ばしにせず「安いうちに買おう」という心理が働きます, *3 日本銀行では、こうした物価指数に加えて、国内外の原油、非鉄金属、農林水産物などの市場での取引価格など、さまざまな動向に注意しながら、総合的に物価の動きを分析しています, 物価変動の要因にはさまざまなものがありますが、商品やサービスの値段は基本的に、それを買う動きである需要と、売る動きである供給のバランスで決まります。
*2 インフレは、好況下でモノ・サービスに対する需要が増加し、供給を上回ることや、原材料費の上昇・人件費の高騰などにより生じます , 左から、図1【総合指数の動き】 図2【生鮮食品を除く総合指数の動き】 図3【生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数の動き】 出所)法務省 報道資料「2020年基準消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)1月分」p.1 最近の物価上昇の要因として、新型コロナの5類移行による行動制限緩和の影響で、国内外の旅行客が回復するなどサービス産業を中心に消費が回復したこと、円安の進行やウクライナ情勢を背景に、海外から輸入される原材料やエネルギー価格が上昇したことなどが指摘されています,(図4), その結果、企業は売上が減少し、「利益の減少にともなって従業員への報酬を減らす」「設備投資を抑える」などといった対策をとるため、社会にお金が回らなくなり、景気が悪化してしまうのです,*4 消費者物価の基調を見るために、生鮮食品を除く総合指数や生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数が用いられることもあります, 日本は2022年、2023年ともに消費者物価指数の総合指数が前年より上昇しました, 一般に商品やサービスの需要が供給を上回れば物価は上がり、逆に、供給より需要が下回れば物価は下がります。
この状態が、お金の価値がさがるということです, 最近の消費者物価指数とインフレの要因 では、最近の消費者物価指数はどうなっているのでしょうか, () 物価と貨幣価値の関係 では、インフレでは、貨幣価値はどう変化するのでしょうか, そこで日本銀行は2013年1月に、物価安定のための金融政策として「物価安定の目標」を消費者物価の前年比上昇率2%と定め、これをできるだけ早期に実現すると約束しました, ただ、上述のように、金融政策として消費者物価の前年比上昇を掲げているため、特に「消費者物価指数」の動向を注視しています,*4 そのように、物価の動きを比率で表したものを物価指数といいます,*6 また、2021年から2024年1月までの消費者物価指数の動きは、以下の図1から図3のようになっており、2022年、2023年ともに年単位でみると、前年比を上回っています, 「デフレ」はモノの価値が安くなるため、消費者には「もう少し待てばもっと安くなるのではないか」「もう少しお金に余裕があるときに買おう」などといった意識が働き、買い控えの心理が働くため、どんどんモノが売れにくくなります, 物価指数は、物価の動きを客観的に分かりやすく、数値として表したものです, 日本銀行の金融政策 市場経済では、個人や企業はモノやサービスの価格を手がかりにして、消費や投資を行うかどうかを決めているため、物価が大きく変動すると、個々の価格を手がかりにして判断を行うことが難しくなり、さまざまな問題が生じます, 物価と貨幣価値のこうした関係を理解し、資産形成など、預金とは別の形でお金をいかす方法を考えるのも有益 ではないでしょうか, こうした関係は、インフレのデメリットにつながります, 物価上昇には、さまざまな要因が絡み合っていますが、物価の上昇は貨幣価値にどのような影響を及ぼすのでしょうか。
「インフレーション」(以後、「インフレ」)とは物価が上がり続けることであり、それに対して「デフレーション」(以後、「デフレ」)とは、物価が下がり続けることです, () 物価変動の要因とインフレ・デフレ 物価とは、「モノやサービスの価格を全体としてとらえたもの」で、 モノやサービス全体の価格水準のこと です, ただし、インフレにはデメリットもあるため、それについては後述します, 物価の分析 物価の変動は経済活動に大きな影響を及ぼしますが、ひとくちに物価といっても、それが企業の間で行われる取引か、企業と個人の間の取引かにより、同じ財やサービスでもいくつもの価格が存在します, 一方、 デフレは、不況下でモノやサービスに対する需要が減少し、供給を下回ることで起こります 。
インフレでは、お金の実質的な価値を維持するためには、物価上昇率以上の利回りで増やす必要があるのです, 日本銀行総裁は、2024年2月22日、今後も物価上昇の動きが続くとの見方を示し、 日本経済は「デフレではなく、インフレの状態にあると考えている」 と述べました。
*7 図4【年0~3%のインフレが進行した場合の1, *1 出所)日本銀行「金融政策>金融政策の概要」 *2 出所)MUFG「「インフレ」「デフレ」をおさらいしよう!経済現象の基礎用語を解説」 *3 出所)日本銀行「日本銀行について!>日本銀行は、物価をみるときに、何を判断材料にしていますか?」 *4 出所)総務省統計局「消費者物価指数のしくみと見方 ―2020年基準消費者物価指数―」 pp.1-3 *5 出所)総務省統計局「消費者物価指数に関するQ&A(回答)」 *6 出所)法務省 報道資料「2020年基準消費者物価指数 全国 2024年(令和6年)1月分」(2024年2月27日)p.1 *7 出所)MUFG「どうして資産形成が必要なの?」 , 一般論として、消費が活発になれば、企業は売上が増えるため利益も増加します, 物価変動の要因とインフレ・デフレのメカニズム、現在の物価上昇の動向、物価と貨幣価値との関係をわかりやすく解説します, 物価が下がっていること(デフレ)は、お金の価値(モノやサービスを買う力=購買力)が上がっていることであり、物価が上がっていること(インフレ)は、お金の価値が下がっていることです。
これをインフレリスクといいます。
2024年1月の総合指数は、2020年を100として106.9(前年同月比2.2%上昇)、生鮮食品を除く総合指数は106.4(前年同月比2.0%上昇)、生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数は105.8(前年同月比3.5%上昇)で、いずれも日本銀行が掲げる「前年比上昇率2%」という目標を達成しています。
000万円の価値】 出所)MUFG「どうして資産形成が必要なの?」 実質的な貨幣価値を維持するためには 現金や固定金利の定期預金、債券などには、インフレリスクに弱い側面があることを理解することが大切です,すると、従業員の給料も上がり、社会にお金が循環して景気は上昇します。
消費者物価指数は、金融政策の判断材料になっているだけではなく、国民年金や厚生年金などの給付水準の見直しや、賃金、家賃や公共料金改定の際の参考に使われるなど、幅広く利用されています,*1 まず、物価変動はどのようなメカニズムによって生じるのか、みていきましょう, これをデフレスパイラルと呼びます, インフレが進行すると、金額が同じでもこのようにお金の実質的価値は目減りします。
